アンリ・バンコランシリーズとは
「アンリ・バンコランシリーズ」とは、著者ジョン・ディクスン・カーの人気シリーズの一つです。
アンリ・バンコランが主人公でフランス人の探偵なんですが、パリ警視庁を牛耳る予審判事だったりします。
長身で痩躯の容貌をしていて、黒の燕尾服にステッキを持ち、シルクハットを被っているおしゃれさんです。
このシリーズの有名作といえば、「夜歩く」や「蝋人形館の殺人」などがあります。
今回は、アンリ・バンコランシリーズの読む順番についてご紹介いたします。
カーの他シリーズについては以下の記事でご紹介していますので御覧ください!
ジョン・ディクスン・カーの作品一覧・シリーズまとめ【米国の密室ミステリー作家】
ギデオン・フェル博士シリーズ(ディクスン・カー)の読む順番一覧|全25巻完結済み
ヘンリー・メリヴェール卿シリーズ(ディクスン・カー)の読む順番一覧|全24巻完結
アンリ・バンコランシリーズの読む順番は?(全6巻)
こちらのシリーズは1話完結型なので、どれから読んでも問題ありません。
ですが、出版順に読むと物語の時系列に沿っていて面白いのでおすすめです。
アンリ・バンコランシリーズの読む順番一覧
No. | タイトル | 出版年 | あらすじ |
---|---|---|---|
1 | 夜歩く | 1930 | あらすじ |
2 | 絞首台の謎 | 1931 | あらすじ |
3 | 髑髏城 | 1931 | あらすじ |
4 | 蝋人形館の殺人 | 1932 | あらすじ |
5 | 四つの兇器 | 1937 | あらすじ |
短編集 | 幽霊射手 | 1980 | あらすじ |
アンリ・バンコランシリーズ1巻
「夜歩く」
著者ジョン・ディクスン・カーの記念すべき処女作品です。
精神病院から逃走した夫から付け狙われている元妻ルイーズは、予審判事のバンコランらに警護を依頼します。
なんでも、夫はルイーズの周辺人物の誰かに扮してるらしいのです。
しかし、カード室で、ルイーズの新夫が首を切られた状態で殺されていました。
なかなか怪奇的な雰囲気ですが、ミステリーとしてはかなり面白いので最初に読んでいただきたい作品です。
読んだ感想はこちら。
夜歩く(ディクスン・カー)のあらすじと感想|バンコランシリーズ1巻目
あらすじ
パリの予審判事アンリ・バンコランは、剣の名手と名高いサリニー公爵の依頼をうけ、彼と新妻をつけねらう人物から護るために深夜のナイトクラブを訪れる。
だが、バンコランと刑事が出入口を見張るカード室で、公爵は首を切断されていた。怪奇趣味、不可能犯罪、そして密室。
カーの著作を彩る魅惑の要素が全て詰まった、探偵小説黄金期の本格派を代表する巨匠の華々して出発点。
アンリ・バンコランシリーズ2巻
「絞首台の謎」
前作に引き続き、かなり怪奇的な雰囲気が強い作品です。江戸川乱歩などが好きな方はかなりハマると思います。
最初から最後まで「絞首台」がテーマとして登場するんですが、読み終わった後はいつの間にか机の上に絞首台の模型が置いてあるかのような恐ろしさが味わえる作品だと思います。
犯人も想像しなかった人物なので、驚くこと間違いなしです!
読んだ感想はこちら。
絞首台の謎(ディクスン・カー)のあらすじと感想|バンコランシリーズ2巻目
あらすじ
不気味なまでに精巧な絞首台の模型。
この面妖な贈り物を端に発して、霧深いロンドンに奇怪な事件が続発する。喉を掻き切られた死者を運転席に乗せて疾駆するリムジン、十七世紀に実在した絞首刑吏〈ジャック・ケッチ〉の名前を差出人にして届く殺人予告、そして霧のなかから現れる幻の街〈破滅街〉――悪夢の如き一連の怪事件に、予審判事アンリ・バンコランが挑む。
横溢する怪奇趣味と鮮烈な幕切れが忘れがたい余韻を残す長編推理。
アンリ・バンコランシリーズ3巻
「髑髏城」
今回は、バンコランVSフォン・アルンハイム男爵の推理合戦です。
髑髏城で起こった凄絶な殺人事件の犯人を調査します。
個人的にはちょっと微妙な作品でした。
読んだ感想はこちら。
髑髏城(ディクスン・カー)のあらすじと感想|バンコランシリーズ3巻目
あらすじ
ドイツ・ライン河畔に聳える奇城〝髑髏城〟。
城の持ち主であった稀代の魔術師マリーガーが、走行中の列車内から身を投げてから十七年が経った。そして今、城を継いだ男が火だるまになって胸壁から転落、凄絶な最期を迎える。
魔術師の遺産を共同相続していた富豪から依頼を受けて、予審判事アンリ・バンコランは死の影が漂う城へと捜査に赴く。そこで彼は、ベルリン警察の主任捜査官にして好敵手フォン・アルンハイム男爵と邂逅を果たす――。
アンリ・バンコランシリーズ4巻
「蝋人形館の殺人」
あらすじ
行方不明の元閣僚令嬢が、他殺死体となってセーヌ河で発見された。
予審判事バンコランは、彼女が最後に目撃された蝋人形館の館主を尋問したのち、その館へ赴き展示を見て回るが、そこで半人半獣の怪物像に抱かれた女の死体を発見する。頽廃の都を震撼させる異様な殺人事件の真相とは。
優雅な装いの下に悪魔の冷徹さと知性を秘めたバンコランの名推理。新訳にして初の文庫版。
アンリ・バンコランシリーズ5巻
「四つの兇器」
シリーズの中では上位に食い込むほど、結構面白かったです!
今回の事件は、登場人物たちのアリバイが結構複雑で、どちらかというとパズル要素がありました。
(内容は違うけど、エラリークイーンの「ローマ帽子の謎」みたいな感じ)
読んだ感想はこちら。
四つの凶器(ディクスン・カー)のあらすじと感想|バンコランシリーズ5巻目
あらすじ
結婚を目前に控える青年弁護士リチャードがパリ近郊の別荘を
訪れたのは、高級娼婦ローズとの関係を清算するためだった。しかし、彼が別荘に到着した時、ローズは既に寝室で事切れていた。
彼女の部屋からは、カミソリとピストルと睡眠薬と短剣が見付かる。過剰に配置された凶器は何を意味するのか。
多すぎる凶器の謎に、予審判事を引退したアンリ・バンコランが挑む。不可能犯罪の巨匠たるカーの登場を彩った名探偵の“最後の事件”を描く力作。
短編集 「幽霊射手」
収録作品:
・死者を飲むかのように……
・山羊の影(アンリ・バンコランシリーズもの)
・第四の容疑者(アンリ・バンコランシリーズもの)
・正義の果て(アンリ・バンコランシリーズもの)
・四号車室の殺人(アンリ・バンコランシリーズもの)
・B13号船室
・絞首人は待ってくれない
・幽霊射手
・花嫁消失
あらすじ
カーの死後の調査と研究に依って発掘された、若かりし日の作品群や、ラジオ・ドラマを集大成した待望のコレクション。
処女短編「死者を飲むかのように……」を筆頭に、アンリ・バンコランの活躍する推理譚と、名作「B13号船室」をはじめとする傑作脚本。
不可能興味と怪奇趣味の横溢するディクスン・カーの世界!
まとめ
カーの作品の中で、珍しく全部の作品に新訳があるというびっくり仰天なシリーズです。やっぱり人気ですね〜
この調子でフェル博士とかH.M卿ものも新訳を出してほしいものです。
気になった方はぜひ読んでみてください。