宮部みゆきの時代小説を読む順番は?
今回は大人気作家の宮部みゆきが執筆された、時代小説の読む順番についてご紹介いたします。
「宮部みゆきの時代小説をどれから読んだらいいんだろう?」
「おすすめの読む順番を知りたい!」
などの方向けの記事になります。
いちファンのおすすめの順番ですので、ぜひご参考いただけると嬉しいです!
読む順番①「ぼんくら 上下」(長編)
上下巻だけど、面白くてするすると読めちゃう捕え物話だよ!
一番最初に長編を持ってくるには重いかなと思いましたが、宮部みゆきといえばこちらの作品が代表作と言っても過言ではないため挙げさせていただきました!
同心の井筒平四郎が主人公のシリーズ1巻目にあたる物語で、主人公がよく廻っていた長屋で殺人事件が起こりました。
その後なぜか長屋の店子(住人)が次々と出ていくという事象が起こります。不思議に思った主人公は調査に乗り出すのですが・・・
小さな出来事からだんだんと大きな事件へと発展していく物語展開は、読者を飽きさせなくて非常に読み応えある一冊です。イチオシです。
こちらの続きは以下でご紹介しています。
ぼんくらシリーズ(宮部みゆき)の読む順番一覧|全三巻の人情織りなす時代劇
あらすじ
「殺し屋が来て、兄さんを殺してしまったんです」――江戸・深川の鉄瓶長屋で八百屋の太助が殺された。
その後、評判の良かった差配人が姿を消し、三つの家族も次々と失踪してしまった。いったい、この長屋には何が起きているのか。ぼんくらな同心・平四郎が動き始めた。著者渾身の長編時代ミステリー。
読む順番②「かまいたち」(短編集)
デビュー前に書かれた作品が入ってる短編集!どれも人情もので考えさせられる…
こちらは宮部さんの初期作品、全4編の短編集です。
宮部みゆきさんがデビュー前にかかれた作品もあるのですが、どれもすでにクオリティが安定していて読み応えのある作品です。
おすすめは「かまいたち」と「師走の客」。
実は次でご紹介する作品の元となった短編「迷い鳩」と「騒ぐ刀」が入っていまして、読んでみて肌に合ったらぜひ次の作品も読んでほしいです。
あらすじ
夜な夜な出没して江戸市中を騒がす正体不明の辻斬り“かまいたち”。
人は斬っても懐中は狙わないだけに人々の恐怖はいよいよ募っていた。そんなある晩、町医者の娘おようは辻斬りの現場を目撃してしまう…。
サスペンス色の強い表題作はじめ、純朴な夫婦に芽生えた欲望を描く「師走の客」、超能力をテーマにした「迷い鳩」「騒ぐ刀」を収録。
読む順番③「震える岩 霊験お初捕物控1」(長編)
霊が視える女の子が活躍するお話!読んでいてスカッとするよ〜
前述で紹介した「かまいたち」の短編が元となった作品です(設定は違うのですが)。
霊が視える女の子・お初が数学大好きの右京之介とタッグを組んで、死人がなぜか生き返ってその後どこかへ行ってしまうという怪奇現象を調査します。
一旦ただの殺人事件として物語が終わりそうになるんですが、そこからどんどんお初と右京之介の周りが巻き込まれ、なぜか将軍の徳川綱吉まで絡んでくる始末。
後半は面白すぎて、物語にのめり込むことになること間違いなしです。
こちらの続きものは以下でご紹介しています。
霊験お初捕物控シリーズ(宮部みゆき)の読む順番一覧|霊が視える町娘の事件帖
あらすじ
死んだはずの人間が生き返る「死人憑き」が本所深川で起きた。
甦った人物が以前より若返っていると感じた「姉妹屋」のお初は、老奉行の御前さまから紹介された与力見習の右京之介と探索を始めた。
だがその時、油樽から女の子の遺体が発見される。人は過去にも家族にも縛られる。
読む順番④「堪忍箱」(短編集)
最後はほんのり温かい気持ちになれる、全8編の短編集
こちらは箸休めとして、全8編からなる短編集をご紹介いたします。
宮部みゆきさんの短編集はちょっとホラー仕立てのものや人情もの、捕物帳などがありますが、今回は少し心が温まるような短編が揃っています。
おすすめは「堪忍箱」「謀りごと」「砂村新田」などです。
物語に登場する市井の人々はみんながみんな裕福ではないけど、懸命に生活している中での日常を人情味がある物語に仕上げているのが、非常に印象深かったです。
あらすじ
蓋を開けたら最後、この近江屋に災いが降りかかる……。決して中を見てはいけないというその黒い文箱には、喪の花・木蓮の細工が施してあった――。物言わぬ箱が、しだいに人々の心をざわめかせ、呑み込んでいく表題作。
なさぬ仲の親と子が互いに秘密を抱えながらも、寄り添い、いたわり合う「お墓の下まで」。名もなき人たちの日常にひそむ一瞬の闇。人生の苦さが沁みる時代小説八篇。
読む順番⑤「あかんべえ」(長編)
またも霊が視えるおりんが主人公の物語!震える岩が好きな人は絶対におすすめ!
個人的にも1,2を争うお気に入りの作品でもあります。
とにかく面白く、主人公のおりんちゃんが可愛いです。
深川の料理屋「ふね屋」の店での宴で、突然刀が暴れ出し、お店は噂で閉店寸前になってしまいます。
みんなが不可思議な出来事に頭を悩ませる中、ふね屋の娘であるおりんは、一人だけ騒動の原因を知り、その原因を探ることに。
肝っ玉の座っているおりんちゃんがどう活躍するのか、ぜひ読んでみてください!
あらすじ
おりんの両親が江戸深川に開いた料理屋「ふね屋」に、抜き身の刀が現れ、暴れ出す。成仏できずにいる亡者・おどろ髪の仕業だった。
その姿を見ることができたのは、おりんただ一人。しかもこの屋敷には、おどろ髪以外にも亡者が住み着いていた。「あたしは見た。はっきり見たのに――。だけど、みんなには見えなかった」。
あまりの不思議な出来事に衝撃を受けたおりんが、屋敷にまつわる因縁の糸を解きほぐしていくと、三十年前の忌まわしい事件が浮かび上がり…。人間の心に巣食う闇を見つめながら成長していくおりんの健気さが胸に迫る。怖く、切なく、心に沁みる、宮部ワールド全開の物語。
読む順番⑥「おそろし」(連作短編集)
短編が続くんだけど、少しずつ主人公の過去に迫っていくよ。辛いけど面白い。
現在もシリーズとして続いている、三島屋変調百物語シリーズの1巻目にあたる作品です。
どの話も大変面白いのですが、表題のとおりおそろしく、悲しみに溢れている物語が揃っています。
主人公のおちかは、とある過去より悲しみに暮れていましたが、三島屋の主人の計らいにより来訪者の不可思議な話を聞く催しを始めました。
おちかの過去については最後の物語で知ることができるのですが、ぜひ最後まで読んでいただきたいです。
こちらの続きは以下でご紹介しています。全て面白いのでぜひ!
【最新版】三島屋変調百物語シリーズ(宮部みゆき)の読む順番一覧|未完結の大人気ホラーシリーズ
あらすじ
17歳のおちかは、ある事件を境に、ぴたりと他人に心を閉ざした。
ふさぎ込む日々を、叔父夫婦が江戸で営む袋物屋「三島屋」に身を寄せ、黙々と働くことでやり過ごしている。ある日、叔父の伊兵衛はおちかに、これから訪ねてくるという客の応対を任せると告げ、出かけてしまう。
客と会ったおちかは、次第にその話に引き込まれていき、いつしか次々に訪れる客のふしぎ話は、おちかの心を溶かし始める。三島屋百物語、ここに開幕。
読む順番⑦「この世の春 上中下」(長編)
宮部さんの作家生活30周年を迎えた一冊。読み応えのあるミステリー時代小説。
こちらはある意味ミステリーでもあるのですが、時代小説としてもかなり楽しめます。
最初は物語の舞台となる藩の背景など少々読みにくいところはありますが、その後の急変する物語の展開には思わず読んでしまうほど面白いです。
最後まで非常に重い話ですが、読了感はとてもいい作品です。長いですがぜひ!
あらすじ
ごめんくださいまし──。宝永七年の初夏、下野北見藩・元作事方組頭の家に声が響いた。
応対した各務多紀は、女が連れていた赤子に驚愕する。それは藩内で権勢をほしいままにする御用人頭・伊東成孝の嫡男であった。
なぜ、一介の上士に過ぎない父が頼られたのか。藩中枢で何が起きているのか。一夜の出来事はやがて、北関東の小国を揺るがす大事件へと発展していく。作家生活三十周年記念作。
読む順番⑧「桜ほうさら」(長編)
笙之介家族の汚名やいかに。家族とは何なのか、時代ならではの格差が染みる作品。
これまたポップな表紙なのに重たい物語です。
主人公の笙之介は家族の汚名をはらすべく、調査をし始めるのですが真実やいかに、というのが大筋の物語です。
とくに良かった点は、主人公の周りにいるキャラクターたちが支え合って生きていく人情味溢れる姿に非常に胸が熱くなりました。
これぞ宮部節という作品なのでぜひ読んでみてください。
あらすじ
舞台は江戸深川。
主人公は、22歳の古橋笙之介。上総国搗根藩で小納戸役を仰せつかる古橋家の次男坊。大好きだった父が賄賂を受け取った疑いをかけられて自刃。
兄が蟄居の身となったため、江戸へやって来た笙之介は、父の汚名をそそぎたい、という思いを胸に秘め、深川の富勘長屋に住み、写本の仕事で生計をたてながら事件の真相究明にあたる。父の自刃には搗根藩の御家騒動がからんでいた。ミステリアスな事件が次々と起きるなか、傷ついた笙之介は思いを遂げることができるのか。「家族は万能薬ではありません」と語る著者が用意した思いがけない結末とは。
読む順番⑨「ばんば憑き」(短編集)
少し背筋が冷えるような短編が6つ入ってる短編集だよ!そこまで重くないから手軽に読める作品。
「ぼんくら」シリーズを読んだ方なら、知ってるキャラクターが登場するので面白く読めるのではないかと思います。(知らなくても大丈夫です)
個人的によかったのは「ばんば憑き」「博打眼」「お初の影」など。どれもいい話とは言い難いのですが、読み応えがあって読んでしまう作品。
あらすじ
湯治旅を終えた若夫婦が、帰途、雨で足止めとなり老女との相部屋を引き受けた。老女が語り出す50年前の忌まわしい出来事とは。「〈ばんば〉とは恨みの念を抱いた亡者のこと…」。ぞくりと怖く、心騒がす全6話。
読む順番⑩「きたきた捕物帖」(長編)
性格が異なる二人が事件を解決する捕物帖!まだ始まったばかりだから今からでも追いつけるよ!
きたきた捕物帖は、主人公の北一と後に登場する相棒役の喜多次の「きた」を取ったタイトルです。
こちらはシリーズ1巻目の作品で二人の出会い編になるのですが、性格・能力が異なった二人なので読んでいてかなり面白いと思います。
続きが気になる方は、ぜひ以下で紹介していますのでご覧ください!
きたきた捕物帖シリーズ(宮部みゆき)の読む順番一覧|ぼんくらファンは必読!
あらすじ
宮部みゆき、久々の新シリーズ始動!
謎解き×怪異×人情が味わえて、著者が「生涯、書き続けたい」という捕物帖であり、宮部ワールドの要となるシリーズだ。舞台は江戸深川。いまだ下っ端で、岡っ引きの見習いでしかない北一(16歳)は、亡くなった千吉親分の本業だった文庫売り(本や小間物を入れる箱を売る商売)で生計を立てている。やがて自前の文庫をつくり、売ることができる日を夢見て……。
本書は、ちょっと気弱な主人公・北一が、やがて相棒となる喜多次と出逢い、親分のおかみさんや周りの人たちの協力を得て、事件や不思議な出来事を解き明かしつつ、成長していく物語。
北一が住んでいるのは、『桜ほうさら』の主人公・笙之介が住んでいた富勘長屋。さらに『完本>初ものがたり』に登場する謎の稲荷寿司屋の正体も明らかになるなど、宮部ファンにとってはたまらない仕掛けが散りばめられているのだ。
今の社会に漂う閉塞感を吹き飛ばしてくれる、痛快で読み応えのある時代ミステリー。
【出版順】宮部みゆきの時代小説の読む順番一覧
こちらでは、宮部みゆきさんの時代小説を、出版年順にまとめたものをご紹介いたします。
たまに別作品同士で同じキャラクターが登場する場合があります。
でも基本的に全て独立して読める作品なので、そこは特に気にせず読んでいただいて大丈夫です。(わかったら楽しいレベル)
No. | タイトル | 出版年 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | 本所深川ふしぎ草紙 | 1991 | – |
2 | かまいたち | 1992 | – |
3 | 震える岩 霊験お初捕物控 | 1993 | 霊験お初捕物控シリーズ1 |
4 | 堪忍箱 | 1996 | – |
5 | 天狗風 霊験お初捕物控2 | 1997 | 霊験お初捕物控シリーズ2 |
6 | 初ものがたり | 1997 | – |
7 | 幻色江戸ごよみ | 1998 | – |
8 | ぼんくら 上下 | 2000 | ぼんくらシリーズ1 |
9 | あやし(怪) | 2000 | – |
10 | あかんべえ | 2002 | – |
11 | 日暮らし 上下 | 2004 | ぼんくらシリーズ2 |
12 | 孤宿の人 上下 | 2005 | – |
13 | おそろし | 2008 | 三島屋シリーズ1 |
14 | あんじゅう | 2010 | 三島屋シリーズ2 |
15 | おまえさん 上下 | 2011 | ぼんくらシリーズ3 |
16 | ばんば憑き | 2011 | – |
17 | 泣き童子 | 2013 | 三島屋シリーズ3 |
18 | 桜ほうさら 上下 | 2013 | – |
19 | 荒神 | 2014 | – |
20 | お文の影 | 2014 | – |
21 | 三鬼 | 2016 | 三島屋シリーズ4 |
22 | この世の春 上中下 | 2017 | – |
23 | あやかし草紙 | 2018 | – |
24 | 黒武御神火御殿 | 2019 | 三島屋シリーズ5 |
25 | きたきた捕物帖 | 2020 | きたきたシリーズ1 |
26 | 魂手形 | 2021 | 三島屋シリーズ6 |
27 | よって件のごとし | 2022 | 三島屋シリーズ7 |
28 | 子宝船 | 2022 | きたきたシリーズ2 |
29 | 青瓜不動 | 2023 | 三島屋シリーズ8 |
まとめ
上記でご紹介した作品以外にも隠れた名作はまだあります!
個人的に宮部さんの時代小説が大好きで結構いろいろ読んでいるのですが、宮部さんの作品はどれも考えさせられる物語が多く、読み応えがあります。
ぜひ紹介した作品以外も、いろいろ読んでみてください。以下では宮部みゆきさんの個人的に最高傑作&おすすめ作品を紹介しています。
【最高の読書体験】宮部みゆきのおすすめ小説ランキング20選|最高傑作はこれだ!
【最初の一冊】宮部みゆきのおすすめ読む順番は?|初心者向けのおすすめ小説10選をご紹介
宮部みゆきのおすすめシリーズ
時代小説以外での人気シリーズは以下でご紹介しています。合わせてご覧ください!
杉村三郎シリーズ
こちらも現代もので、サラリーマンである杉村が数々の事件に遭遇し、解決していくミステリー小説です。
ドラマ化されるほどの人気シリーズで、ぜひまだ読んでない方にはおすすめしたい作品です!
杉村三郎シリーズ(宮部みゆき)の読む順番一覧|あらすじ・ドラマ情報をご紹介
元警察犬マサシリーズ
こちらは現代もののシリーズで、警察犬”マサ”が語り部となって事件を追っていく物語です。
全2巻でそこまで長くないので、お手軽に読めると思います!
元警察犬マサシリーズ(宮部みゆき)の読む順番一覧|全2巻/完結済み
親友”島崎君”シリーズ
こちらも現代もので、主人公の僕、将棋部のエースで親友の島崎と二人でタッグを組んで、事件を調査していく物語です。
親友”島崎君”シリーズ(宮部みゆき)の読む順番一覧|全2巻/完結済み
ドリームバスターシリーズ
こちらはファンタジーシリーズで、夢の中に逃げた凶悪犯を追う”ドリームバスター”たちの物語です。
未完結でしばらく経ってる作品ですが、面白さは間違いないです。