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今回は「円紫さんと私シリーズ」の読む順番を紹介するよ!日常ミステリーなんだけど、読むとホッとする秀逸な作品なんだ。
円紫さんと私シリーズとは
「円紫さんと私シリーズ」とは、著者の北村薫の「空飛ぶ馬」で鮮烈なデビュー作として話題になったミステリーシリーズです。
探偵役は春桜亭円紫という落語家で、主人公の「私」が日常的に出会う謎を解決していきます。(いわゆるコージーミステリーの部類)
今回はこちらのシリーズをご紹介いたします。
円紫さんと私シリーズの読む順番は?
基本的に、順番に読むことをおすすめします。
No. | タイトル | 出版年 | あらすじ |
---|---|---|---|
1 | 空飛ぶ馬 | 1989 | あらすじ |
2 | 夜の蝉 | 1990 | あらすじ |
3 | 秋の花 | 1991 | あらすじ |
4 | 六の宮の姫君 | 1992 | あらすじ |
5 | 朝霧 | 1998 | あらすじ |
6 | 太宰治の辞書 | 2017 | あらすじ |
関連作 | 吹雪の山荘(リレーミステリ) | 2014 | あらすじ |
ちなみに、「空飛ぶ馬」はマンガ版も発売されています。
タナカミホさんが担当されていて、とてもあたたかみのある絵柄でほっこりしてしまいます。ご興味ある方はぜひ!
円紫さんと私シリーズ1巻
「空飛ぶ馬」
鮮烈なデビューとなった第一作目!切なさと尊さを感じる作品の数々。
日常ミステリーの詰め合わせで、いわゆる連作短編のような作品です。
落語家の円紫(えんし)と女子大生の私が、先生を通じて知り合い、徐々に知り合っていく話です。
その傍らにちょっとした事件が起こって、円紫さんが謎解きをします。
この作品のいいところは、言葉のチョイスが非常に良く、読後が心地いいところです。
ミステリー小説は派手な事件が多く感情の浮き沈みが激しい点も面白いのですが、この小説はリアルさ相まってどこかホッと一息つけるような作品です。
収録作品:
・織部の霊
・砂糖合戦
・胡桃の中の鳥
・赤頭巾
・空飛ぶ馬
感想やネタバレはこちらから。
空飛ぶ馬(北村 薫)のあらすじと感想|人間のリアルさが描かれる日常ミステリー
あらすじ
「私たちの日常にひそむささいだけれど不可思議な謎のなかに、貴重な人生の輝きや生きてゆくことの哀しみが隠されていることを教えてくれる」と宮部みゆきが絶賛する通り、これは本格推理の面白さと小説の醍醐味とがきわめて幸福な結婚をして生まれ出た作品である。
円紫さんと私シリーズ2巻
「夜の蝉」
あらすじ
『空飛ぶ馬』につづいて女子大生の〈私〉と噺家の春桜亭円紫師匠が活躍する。
鮮やかに紡ぎ出された人間模様に綾なす巧妙な伏線と、主人公の魅力あふれる語りが読後の爽快感を誘う。
第四十四回日本推理作家協会賞を受賞し、覆面作家だった著者が素顔を公開する契機となった第二作品集。
収録作品:
・朧夜の底
・六月の花嫁
・夜の蝉
円紫さんと私シリーズ3巻
「秋の花」
あらすじ
幼なじみの真理子と利恵を待ち受けていた苛酷な運命――それは文化祭準備中の事故と処理された一女子高生の墜落死だった。
真理子は召され、心友を喪った利恵は抜け殻と化したように憔悴していく。
ふたりの先輩である〈私〉は、事件の核心に迫ろうとするが……。
生と死を見つめ、春桜亭円紫師匠の誘掖を得て、〈私〉はまた一歩成長する。
円紫さんと私シリーズ4巻
「六の宮の姫君」
あらすじ
最終学年を迎えた〈私〉は、卒論のテーマ「芥川龍之介」を掘り下げていくかたわら、出版社で初めてのアルバイトを経験する。
その縁あって、図らずも文壇の長老から芥川の謎めいた言葉を聞くことに。
王朝物の短編「六の宮の姫君」に寄せられた言辞を巡って、円紫師匠の教えを乞いつつ、浩瀚な書物を旅する〈私〉なりの探偵行が始まった。
円紫さんと私シリーズ5巻
「朝霧」
あらすじ
卒業論文を仕上げ巣立ちの時を迎えた主人公は出版社の編集者として社会人生活のスタートを切り、新たな抒情詩を奏でていく。
語り手《私》と円紫師匠が登場するシリーズ第5作。
円紫さんと私シリーズ6巻
「太宰治の辞書」
あらすじ
みさき書房の編集者として新潮社を訪ねた《私》は新潮文庫の復刻を手に取り、巻末の刊行案内に「ピエルロチ」の名を見つけた。たちまち連想が連想を呼ぶ。
卒論のテーマだった芥川と菊池寛、芥川の「舞踏会」を評する江藤淳と三島由紀夫……本から本へ、《私》の探求はとどまるところを知らない。
太宰が愛用した辞書は何だったのかと遠方にも足を延ばす。そのゆくたてに耳を傾けてくれる噺家。
そう、やはり「円紫さんのおかげで、本の旅が続けられる」のだ……。
円紫さんと私シリーズ関連作
「吹雪の山荘」
あらすじ
雪の舞う大晦日、山荘村である清沢郷へそれぞれの思惑を胸に人々がやってきた。
矢吹駆の痕跡を追うナディア・モガール。山荘村の管理人として出稼ぎに来ていた刈谷正雄。
休暇を過ごすために訪れたブッキーこと《私》と、若竹七海。
原稿執筆のためにカンヅメを計画している法月綸太郎。幽霊山荘のリサーチに来た、大学生・有栖川有栖。やがて新年へと日付が変わるころ、幽霊山荘を探索していたメンバーは首なし死体を発見する!
次々に不気味な事件が起こる中、彼らは真相を暴けるのか?