理瀬シリーズ(恩田陸)の読む順番まとめ|人気ゴシックミステリーシリーズ

理瀬シリーズ(恩田陸)の読む順番まとめ|人気ゴシックミステリーシリーズ

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理瀬シリーズとは

「理瀬シリーズ」とは、著者の恩田陸が書いた幻想的なミステリー小説です。
主人公の理瀬が、行く先々で起こる不気味で謎を呼ぶ事件に関わっていく話です。

長編作品で共通して言えるのは「建物」が舞台で、1作目は学園、2作目は家、3作目は館となっています。

ゴシック調や幻想的な物語が好きな方にはおすすめするシリーズです。
今回は「理瀬シリーズ」の作品についてご紹介いたします。




理瀬シリーズの読む順番一覧

こちらのシリーズは、まず初めに「麦の海に沈む果実」を読んでから他の作品を呼んでください。
アマゾンの理瀬シリーズ一覧を見ると、「三月は深き紅の淵を」が最初に来ていますが、この作品は番外編なので1巻を読み終わった後におすすめします。

長編(未完結)

No.タイトル出版年あらすじ
1麦の海に沈む果実2000あらすじ
2黄昏の百合の骨2004あらすじ
3薔薇のなかの蛇2021あらすじ

理瀬シリーズ番外編(短編など)

こちらの番外編たちは、「麦の海に沈む果実」を読み終わった後に読むと面白いです。
作品ごとに詳細を書いておきますので、ご参考ください。

No.タイトル出版年あらすじ備考
1三月は深き紅の淵を1997あらすじ1巻に登場する「三月は深き紅の淵を」という本にまつわる話。
2黒と茶の幻想(上)2001あらすじ梶原憂理が登場
2黒と茶の幻想(下)2001あらすじ梶原憂理が登場
3図書室の海2002あらすじ理瀬の幼少期の話。(「睡蓮」)
4朝日のようにさわやかに2007あらすじヨハンの話。(「水晶の夜、 翡翠の朝」)
5謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー2017あらすじ「麦の海に沈む果実」に登場する”誰か”の話。(「麦の海に浮かぶ檻」)
6夜明けの花園2024あらすじ理瀬シリーズの初短編集




理瀬シリーズ1巻
「麦の海に沈む果実」

学園ミステリーが好きな方にとっては、かなりハマる面白さです。
だんだんと夢と現実の境目がわからなくなる書き方が、とてもよかったです。

消えた生徒は一体どこへ消えたのか?理瀬は一体何者なのか?
ぜひ理瀬シリーズの一作目を読んでみてください。

ちなみに、ネタバレなどは以下で語っています!

麦の海に沈む果実(恩田陸)のあらすじと感想|閉鎖的な学園で起こる謎の事件
麦の海に沈む果実(恩田陸)のあらすじと感想|閉鎖的な学園で起こる謎の事件

あらすじ
三月以外の転入生は破滅をもたらすといわれる全寮制の学園。2月最後の日に来た理瀬の心は揺らめく。
閉ざされたコンサート会場や湿原から失踪した生徒たち。生徒を集め交霊会を開く校長。

図書館から消えたいわくつきの本。理瀬が迷いこんだ「三月の国」の秘密とは?この世の「不思議」でいっぱいの物語。

理瀬シリーズ2巻
「黄昏の百合の骨」

ミステリー好きにはぜひ読んでいただきたい作品です。

亡き祖母の遺言で、半年以上親戚の家に滞在しなければならない理瀬は、ある目的を持って周辺調査を始めます。
そして同時に叔母である2人の姉妹も、理瀬の目的を探りながら、白百合荘で共同生活を始めるという、状況から物語はスタートします。

その状況で次々と不可解な動物の毒殺事件や生徒の失踪事件などが起こります。
果たして誰が犯行を行っているんでしょうか?何故理瀬の周りで起こるのでしょうか?

感想はこちら。


黄昏の百合の骨(恩田陸)のあらすじと感想|魔女の洋館にまつわる秘密
黄昏の百合の骨(恩田陸)のあらすじと感想|魔女の洋館にまつわる秘密

あらすじ
強烈な百合の匂いに包まれた洋館で祖母が転落死した。

奇妙な遺言に導かれてやってきた高校生の理瀬を迎えたのは、優雅に暮らす美貌の叔母2人。因縁に満ちた屋敷で何があったのか。

「魔女の家」と呼ばれる由来を探るうち、周囲で毒殺や失踪など不吉な事件が起こる。将来への焦りを感じながら理瀬は――。

理瀬シリーズ3巻
「薔薇のなかの蛇」

イギリスに渡った理瀬が、友人のアリスに誘われてソールズベリーにある「ブラック・ローズハウス」に訪れ、そこで起きた凄惨な事件に巻き込まれる話です。

かなりゴシック色が強くて、始終不穏な雰囲気がするので非常に面白い作品です。
ブラック・ローズハウスで様々な人たちと出会うのですが、理瀬にとって味方か敵かがわからないので、腹の探り合いをするのですがそこも見どころです。

感想についてはこちら。

薔薇のなかの蛇(恩田陸)のあらすじと感想・考察|理瀬シリーズ3作目(2021年発売)
薔薇のなかの蛇(恩田陸)のあらすじと感想・考察|理瀬シリーズ3作目

あらすじ
英国へ留学中のリセ・ミズノは、友人のアリスから「ブラックローズハウス」と呼ばれる薔薇をかたどった館のパーティに招かれる。
そこには国家の経済や政治に大きな影響力を持つ貴族・レミントン一家が住んでいた。

美貌の長兄・アーサーや、闊達な次兄・ディヴらアリスの家族と交流を深めるリセ。
折しもその近くでは、首と胴体が切断された遺体が見つかり「祭壇殺人事件」と名付けられた謎めいた事件が起きていた。

このパーティで屋敷の主、オズワルドが一族に伝わる秘宝を披露するのでは、とまことしやかに招待客が囁く中、悲劇が訪れる。
屋敷の敷地内で、真っ二つに切られた人間の死体が見つかったのだ。さながら、あの凄惨な事件をなぞらえたかのごとく。

理瀬シリーズ番外編1
「三月は深き紅の淵を」

今作は理瀬シリーズの番外編で第1巻の「麦の海に沈む果実」に登場する「三月は深き紅の淵を」という一冊の本を巡る4つの物語です。

「麦の海に沈む果実」の前に出版されたのですが、著者の恩田さんの色強く出ていて、読み終わった後はふわふわするような不思議な心地を味わえます。
4つの短編は厳密にいうと繋がってないのですが、どの作品もかなり面白いです。

感想はこちら


三月は深き紅の淵を(恩田陸)のあらすじと感想|理瀬シリーズ番外編その1
三月は深き紅の淵を(恩田陸)のあらすじと感想|理瀬シリーズ番外編その1

あらすじ
鮫島巧一は趣味が読書という理由で、会社の会長の別宅に2泊3日の招待を受けた。

彼を待ち受けていた好事家たちから聞かされたのは、その屋敷内にあるはずだが、10年以上探しても見つからない稀覯本(きこうぼん)「三月は深き紅の淵を」の話。

たった1人にたった1晩だけ貸すことが許された本をめぐる珠玉のミステリー。

理瀬シリーズ番外編2
「黒と茶の幻想」

個人的にシリーズの中で一番お気に入りの作品。
4人が旅をする話なんですが、その4人の関係性がだんだんと明かされていく過程が非常に面白いです。

こちらはシリーズを読んでいなくても全然楽しめます。

あらすじ
太古の森をいだく島へ――学生時代の同窓生だった男女四人は、俗世と隔絶された目的地を目指す。

過去を取り戻す旅は、ある夜を境に消息を絶った共通の知人、梶原憂理(ゆうり)を浮かび上がらせる。

あまりにも美しかった女の影は、十数年を経た今でも各人の胸に深く刻み込まれていた。「美しい謎」に満ちた切ない物語。

理瀬シリーズ番外編3
「図書室の海」

あらすじ
あたしは主人公にはなれない――。関根夏はそう思っていた。

だが半年前の卒業式、夏はテニス部の先輩・志田から、秘密の使命を授かった。高校で代々語り継がれる〈サヨコ〉伝説に関わる使命を……。

少女の一瞬のときめきを描く『六番目の小夜子』の番外篇(表題作)、『夜のピクニック』の前日譚「ピクニックの準備」など全10話。
恩田ワールドの魅力を凝縮したあまりにも贅沢な短篇玉手箱。

理瀬シリーズ番外編4
「朝日のようにさわやかに」

あらすじ
葬式帰りの中年男女四人が、居酒屋で何やら話し込んでいる。彼らは高校時代、文芸部のメンバーだった。
同じ文芸部員が亡くなり、四人宛てに彼の小説原稿が遺されたからだ。しかしなぜ……(「楽園を追われて」)。

ある共通イメージが連鎖して、意識の底に眠る謎めいた記憶を呼び覚ます奇妙な味わいの表題作など全14編。
ジャンルを超越した色とりどりの物語世界を堪能できる秀逸な短編集。

理瀬シリーズ番外編5
「謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー」

あらすじ
「館」の謎は終わらない――。
館に魅せられた作家たちが書き下ろす、色とりどりのミステリの未来!

収録作品:はやみねかおる『思い出の館のショウシツ』
恩田 陸『麦の海に浮かぶ檻』
高田崇史『QED~ortus~ ―鬼神の社―』
綾崎 隼『時の館のエトワール』
白井智之『首無館の殺人』
井上真偽『囚人館の惨劇』

理瀬シリーズ番外編6
「夜明けの花園」

あらすじ
湿原に浮かぶ檻、と密やかに呼ばれていた全寮制の学園。
ここでは特殊な事情を抱える生徒が、しばしば行方を晦ます。   
            
ヨハンの隠れた素顔、校長の悲しき回想、幼き日の理瀬、黎二と麗子の秘密、
月夜に馳せる聖、そして水野理瀬の現在。                            
理瀬と理瀬を取り巻く人物たちによる、幻想的な世界へ誘う六編。

・水晶の夜、 翡翠の朝
・麦の海に浮かぶ檻
・睡蓮
・丘をゆく船
・月触
・絵のない絵本

まとめ

このシリーズは、著者の恩田さんの中でも人気のシリーズです。
ミステリアスでゴシックの雰囲気が強いので、合う人にはかなり好まれると思います。

元々恩田さんの作品は結末をあまりはっきりと書かず、匂わすような作風の方なので、結末をはっきりしてほしい人には少し合わないかもしれません。

ぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか。