ライツヴィルシリーズ(エラリークイーン)の読む順番一覧|全10巻の名作ミステリー

ライツヴィルシリーズ(エラリークイーン)の読む順番一覧|全10巻の名作ミステリー

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エラリークイーンのライツヴィルシリーズとは

名探偵エラリークイーンといえば「国名シリーズ」。
実はそれだけでなく、ライツヴィルという場所を舞台にした「ライツヴィルシリーズ」があります。

ライツヴィルシリーズは著者の中期あたりの作品になるのですが、個人的にはめちゃくちゃ大好きなシリーズでもあります。

今回はライツヴィルシリーズの読む順番についてご紹介いたします!

※ライツヴィルとは、架空の町の名前です。NYに位置するとある町の設定で、エラリーにとっては生まれた土地でもないのに何故か懐かしい町として好んで訪れます。

前作の「国名シリーズ」

名探偵エラリークイーンが活躍し始めた最初のシリーズは「国名シリーズ」です。
未読の方はぜひご覧ください。


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ライツヴィルシリーズの読む順番(国名シリーズの続き)

ぜひ順番に読んでください!
そうすると、物語の前後がわかってかなり楽しめます。(後期は物語として地味に繋がっています)

No.タイトル出版年数あらすじ
1災厄の町1942あらすじ
2フォックス家の殺人1945あらすじ
3十日間の不思議1948あらすじ
4ダブル・ダブル1950あらすじ
5帝王死す1952あらすじ
6最後の女1970あらすじ

短編集

ライツヴィルの事件が載っている短編一覧です。(ライツヴィル以外の作品も含まれます。)

No.タイトル出版年数あらすじ
1クイーン検察局1955あらすじ
2クイーンのフルハウス1965あらすじ
3クイーンの犯罪実験室1968あらすじ
4間違いの悲劇1999あらすじ

エラリークイーンの他作品

その他の作品については、以下でご紹介していますので合わせてご覧ください。


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ライツヴィルシリーズ1巻
「災厄の町」

ぶくおくんぶくお

物語が重厚でかなり面白い!特に裁判のシーンだけでも読んで欲しいくらい。

エラリーが初めてライツヴィルに訪れる巻です。(この時から彼が訪れる度に事件が起こるので、警察から疫病神みたいな扱いをされていたりします。)

今回はエラリーが「災厄の家」と呼ばれる家に居候を始めることから物語は始まります。
国名シリーズではパズル要素が強めでしたが、後期のエラリーは人物描写がかなり濃くなっていて、ミステリーだけでなく物語としてもとても楽しめます。

特にこの作品は、最後の最後まで展開が読めなく、手に汗握る作品となっていますので、ぜひ読んでいただきたいです!

あらすじ

3年前に失踪したジムがライツヴィルの町に戻ってきた。

彼の帰りを待っていたノーラと式を挙げ、幸福な日々が始まったかに見えたが、ある日ノーラは夫の持ち物から妻の死を知らせる手紙を見つけた……

奇怪な毒殺事件の真相にエラリイが見出した苦い結末とは?

ライツヴィルシリーズ2巻
「フォックス家の殺人」

ぶくおくんぶくお

今回は過去の事件の謎を解く回だよ!どうやって証明するんだろう?

今作は「回想中の殺人」といって、過去の事件を掘り返して謎を解く作品です。おそらくエラリー作品では初めてのテーマなのではないでしょうか?(もし他の作品であったらどなたか教えてください)

主人公の大尉は無事戦争から帰還しましたが、昔起きた大尉の父が母を毒殺する事件がトラウマで、自分の妻を殺そうとしてしまいます。

困り果てた夫婦はエラリーに相談し、エラリーが調査に乗り出します。

前巻と比べて物語の展開が淡々としていますが、最後の謎解きがかなり面白いです。
マープルの「スリーピング・マーダー」などが好きな方にはおすすめです。

あらすじ

故郷ライツヴィルに帰還した戦争の英雄デイヴィー・フォックス。

激戦による心の傷で病んだ彼は妻を手に掛ける寸前にまで至ってしまう。その心理には過去に父ベイヤードが母を毒殺した事件が影響していると思われた。

彼を救うには父の無実を証明するほかない。相談を受けたエラリイは再調査を請け負うも、当時の状況はことごとくベイヤードを犯人だと指し示していた…

名探偵エラリイが十二年前の事件に挑む。新訳決定版。

ライツヴィルシリーズ3巻
「十日間の不思議」

ぶくおくんぶくお

ぼくが一番お気に入りの作品!シリーズ史上、一番頭いい犯人だったのでは?

個人的に一番おすすめしたい作品の一つです!夜に読んで興奮で眠れなかったほどです。

主人公のハワードが何度か記憶喪失に襲われて、何かしらの犯罪をしでかしているのではないかと不安になってエラリーに相談します。

友人の状況に心配し、再びライツヴィルにある友人の家へ尋ねるんですが、そこには美しい継母と厳粛な父がおり、彼らの次々と不思議なことがおきます。

ミステリーとしてはもしかしたら疑問に思う部分もあるかもしれませんが、小説としての読み応えはこれ以上のものはないくらい面白いです。

あらすじ

ぼくを見張ってほしい――たびたび記憶喪失に襲われ、その間自分が何をしているのか怯えるハワード。

探偵エラリイは旧友の懇願を聞き入れて、彼の故郷であるライツヴィルに三たび赴くが、そこである秘密を打ち明けられ、異常な脅迫事件の渦中へと足を踏み入れることになる。

連続する奇怪な出来事と論理の迷宮の果てに、恐るべき真実へと至った名探偵は……巨匠クイーン円熟期の白眉にして本格推理小説の極北、新訳で登場

ちなみにこの巻の続きがありまして、「九尾の猫」という作品です。こちらは時系列的に繋がっていますので、ぜひ次の「ダブル・ダブル」を読む前に読んでください!

ライツヴィルシリーズ4巻
「ダブル・ダブル」

ぶくおくんぶくお

童話になぞらえた殺人…今回もエラリーは過去の事件に挑戦するよ!

今回は童話殺人(マザーグース)がメインテーマですが、過去の事件も遡って調べていきます。
前作から順番に読んでる方にとっては、今回の作品は普通に感じるかもしれません。(前作などが面白すぎて…)

ある日、エラリーの元に新聞の切り抜きが送られてきて、どれも関係なさそうなのに関係あるように切り取られていました。

気になったエラリーは再びライツヴィルに訪れ、事件の関連性を調べ始めるのですが…

相変わらず読み応えはありますが、ミステリーとしては賛否両論を巻き起こす作品とも言えます。ファンでしたらぜひ読んでください!

あらすじ

エラリイ・クイーンが懐かしのライツヴィルに赴いた時、すでに三つの謎があった……

“町の隠者″の病死、 “大富豪″の自殺、そして “町の呑んだくれ″の失踪。

だがこれは、来るべき連続殺人の単なる発端にすぎなかった!古い童謡に憑かれたように犯行を重ねる殺人鬼に、さすがのクイーンもなす術がなかった!

ライツヴィルシリーズ5巻
「帝王死す」

ぶくおくんぶくお

物語の設定がめちゃくちゃ面白い作品。ぼくは好きなほうだな〜

とある場所で独立国家を統治する王のキングに殺人予告が出されました。半ば拉致されて憤慨しながらも、調査を開始するエラリーとパパのリチャード警視です。

ミステリーとしてはいまいちかもしれませんが、舞台である独立国家の様子や国の独自ルールなどがかなり面白いです。おそらく誰か一人に独裁されたらこんな感じになるんだろうなと想像つくような。

珍しく事件が起こるのライツヴィルではないのですが、どこかであの町が関連します。お楽しみに。

あらすじ

ある島を買い取り、私設の陸海空軍を有するベンディゴ帝国に君臨する軍需工業界の怪物キング・ベンディゴ――彼のもとに舞いこんだ謎の脅迫状の調査を求められ、クイーン父子はニューヨークから拉致された…

はたして脅迫状の正体とは?そして父子の眼前で起こった不可能犯罪の秘密!

ライツヴィルシリーズ6巻
「最後の女」

ぶくおくんぶくお

これは好き嫌い分かれる作品だと思う。ぼくは最後だけ微妙だったな。

友人のジョニーが新しい妻を迎え、エラリーをライツヴィルの別荘へと招待しました。
ジョニーはすでに3度の結婚をしていましたが、今回は本気だという。
しかし、発表をしたその夜にジョニーは何者かに撲殺されます。

まさに横溝正史の犬神家のようなドロドロの人間関係です。どちらかというと人物描写に重きを置いた作品かと思います。

ぜひ読んだ方は感想をお聞かせください。特に最後のオチについて…

あらすじ

クイーンが手に取った受話器から聞こえてきたのは「殺される」というジョニー・Bの断末魔の叫びだった……

華々しい社交界の旋風の中でしか充足できなかった彼が三人の前妻たちをライツヴィルの別荘に呼び集め、遺言状の書き換えを発表するというまさにその前夜の出来事だった!

無残に撲殺されたジョニー・Bの謎に満ちた死と、書き換えららないままの遺言状が引き起こす醜い争いに巻きこまれたクイーンの見たものは?




短編集「クイーン検察局」

ぶくおくんぶくお

短編18作品詰まってる作品集だよ〜ファン必読!

全18編の中で「ライツヴィルの盗賊」という話が、ライツヴィルでの話です。

ただ個人的にお気に入りの作品は、

・七月の雪つぶて
・タイムズ・スクエアの魔女
・黒い台帳

です。手軽に読めるのでぜひご覧ください!

読んだ感想も書いています↓



クイーン検察局のあらすじと感想(ネタバレ)|クイーンの4冊目短編集

あらすじ

クイーン検察局の秘密ファイル公開!

ワンマン検察局の名探偵エラリイ・クイーンが、殺人課、麻薬課、不可能犯罪課などの課にそれぞれ当てはまる難事件を快刀乱麻を断つごとく解決する。
「金は語る」「代理人の問題」「九官鳥」「変わり者の学部長」等、軽妙酒脱な知的パズル18篇を網羅する傑作短編集。

短編集「クイーンのフルハウス」

あらすじ

殺されたのは国防省のある極秘計画に協力していた博士で、手にはメモ用紙が握られていた。

しるされた手書きの文字はEと読めたが、紙片を回転させると今度はMに、さらには3、Wにも見えてきた!

博士が書こうとしていた文字とは?ツイストのきいた「Eの殺人」をはじめ、魅力いっぱいの五篇を収める傑作短篇集

短編集「クイーンの犯罪実験室」

ぶくおくんぶくお

計16作品の短編集。どの短編も手軽に読めて面白かったよ〜!

16の短編の中でライツヴィルものは「菊花殺人事件」「結婚式の前夜」の二つです。どちらも個人的にはかなり面白かったです。

短編なのであらすじを書くとネタバレになってしまうので避けますが、ダイイングメッセージものと被害者が何者かに薬を盛られる話です。

詳しくは以下で感想も書いていますので、ご興味あればご覧ください。


クイーン犯罪実験室のあらすじと感想(ネタバレ)|エラリー・クイーンの7冊目の短編集。
クイーン犯罪実験室のあらすじと感想(ネタバレ)|エラリー・クイーンの7冊目の短編集。

あらすじ

あらすじ

ポーとリンカンの署名付稀覯本が売りに出されたが、売主は公平を期すため、それをある場所に隠し、発見した者に獲得させることにした。

ところが売主は急死してしまい、隠し場所を示す記号だけが残された……

暗号に挑戦する歴史ミステリ他、知的パズル16篇。クイーンはすべての謎を解決するが、さて、あなたは?

短編集「間違いの悲劇」

ぶくおくんぶくお

ライツヴィルの話は1作品だけ!色々な短編が載ってて面白いよ!

7本の短編と小説化されなかった「間違いの悲劇」のプロットが掲載されています。
ライツヴィル関連の作品は、「結婚記念日」という話です。

個人的には「結婚記念日」よりも「動機」「間違いの悲劇」の2作品が大好きです。

何より「間違いの悲劇」が小説化されなかったのが非常に悔やまれます。本当に読みたかった…

あらすじ

往年の大女優が怪死を遂げたとき、折悪しくハリウッドに居合わせたエラリーは現場へ急行する。

しかし、ダイイング・メッセージや消えた遺言状、徐々に明らかになる背景、そして続発する事件に翻弄され、幾度も袋小路を踏み惑うことに。

シェークスピアをこよなく愛した女優の居城を十重二十重に繞る謎の真相とは―。創作の過程をも窺わせる、巨匠エラリー・クイーン最後の聖典。

まとめ

ライツヴィルシリーズは国名シリーズよりも物語的に読み応えのある作品が揃っています。
ミステリーの精度は国名シリーズのほうが高いのですが、ライツヴィルシリーズはいろんな作風に挑戦していったところがとても興味深いです。

ぜひ順番に読んでみて、面白さを味わっていただきたいです。