今回は宮部みゆきさんの「霊験お初捕物控シリーズ」をご紹介します!時代ミステリーなんだけど、ゾクッとしてしまうような人間の怖さがある小説だよ…
霊験お初捕物控シリーズとは
霊験お初捕物控シリーズとは、著者の宮部みゆきによって書かれた、少女お初を主人公とした時代ものミステリ小説です。
江戸時代後期を舞台に、霊が視えるお初が探偵として様々な怪奇現象を解決していきます。
※ちなみに霊験(れいげん)とは、「神仏の不思議で測り知れない力のあらわれ。」という意味だそうです。科学じゃ説明がつかない不思議な力のことですね。
今回は霊験お初捕物控シリーズをご紹介します。
霊験お初捕物控シリーズの読む順番は?(全2巻/完結済み)
物語自体は1巻ずつ完結しているので、どこからでも読んでも問題ありません。
ただし、キャラクターの相互関係などが知りたい方は順番に読むことをおすすめします。
No, | タイトル | 出版年 | あらすじ |
---|---|---|---|
1 | 震える岩 霊験お初捕物控1 | 1992 | あらすじ |
2 | 天狗風 霊験お初捕物控2 | 1995 | あらすじ |
短編集 | かまいたち | 1996 | あらすじ |
霊験お初捕物控シリーズ1巻
「震える岩」
お初が初登場の巻です!
死人がなぜか生き返り、その後どこかへ行ってしまうという怪奇現象を二人で調査します。
一瞬、ただの殺人事件として物語が終わりそうになるんですが、そこからどんどんお初と右京之介の周りが巻き込まれ、なぜか将軍の徳川綱吉まで絡んでくる始末。
後半は面白すぎて、物語にのめり込むことになること間違いなしです。
あらすじ
死んだはずの人間が生き返る「死人憑き」が本所深川で起きた。
甦った人物が以前より若返っていると感じた「姉妹屋」のお初は、老奉行の御前さまから紹介された与力見習の右京之介と探索を始めた。
だがその時、油樽から女の子の遺体が発見される。人は過去にも家族にも縛られる。
霊験お初捕物控シリーズ2巻
「天狗風」
今回は神隠しの事件についてですが、お初たちは勇敢に怪奇現象に立ち向かいます。前巻も中々怖いのですが、この巻はさらに不気味さが増しています。
神隠しに遭うのは決まって、若くて綺麗な娘。
妬みや嫉妬といった、人間の醜い部分が明らかになるようなお話です。
誰にでもそんな気持ちが存在しますが、それとどう向き合うかが人間の真価を問われているんじゃないかなと個人的には思います。
事件を通して、色々と考えさせられるお話です。
あらすじ
真っ赤な朝焼けの中、娘が一陣の風とともに忽然と消えた。
居合わせた父親が自身番に捕らえられるが、自ら命を絶ってしまう。不自然な失踪に「神隠し」を疑うお初と右京之介。
探索を始めた二人は、娘の嫁ぎ先に不審な点があることを突き止める。だがその時、第二の事件が起こった。
短編集「かまいたち」
こちらは宮部さんの初期作品、短編集です。
お初のシリーズができる前の原作みたいなお話なんですが、シリーズとは関係がありません。また、話の設定は違います。
全4編なんですが、お初登場シーンは「迷い鳩」、「騒ぐ刀」です。
この短編集も中々完成度高くて面白いです。
あらすじ
夜な夜な出没して江戸市中を騒がす正体不明の辻斬り“かまいたち”。
人は斬っても懐中は狙わないだけに人々の恐怖はいよいよ募っていた。そんなある晩、町医者の娘おようは辻斬りの現場を目撃してしまう…。
サスペンス色の強い表題作はじめ、純朴な夫婦に芽生えた欲望を描く「師走の客」、超能力をテーマにした「迷い鳩」「騒ぐ刀」を収録。
霊験お初捕物控シリーズの登場人物
霊感持ちのお初
主人公のお初(おはつ)は普通の町娘なんですが、なぜか人とは違って霊が視えてしまう体質を持ちます。
江戸時代後期であれば気味悪がられて、下手したら迫害を受けるかもしれない中で、この不思議な力をできるだけ人の役に立てようと様々な怪奇現象に立ち向かいます。
かなり強くてかっこいい女の子なので、女性はちょっと憧れると思います。
ちなみに能力のことは岡っ引きの兄夫婦や相棒の右京之助などしか知りません。
与力見習いの古沢右京之助
与力見習いの右京之助(うきょうのすけ)です。
読んでもらえればわかりますが、かなりかわいい男の子です。
父親が鬼と恐れられる腕利きの与力で、厳しい父親の元に育った反動か、自分に自信がない坊ちゃんです。
※与力(よりき)とは、同心(下級役人)を部下に持つ役人です。
数学が大好きで、本当は数学者になって毎日問題を解いていたいのですが、跡継ぎなので与力にならなきゃいけないと、いろいろと苦しんでいる最中です。
お初とは、ある事件を解決するためにタッグを組んだのですが、事件の道筋を調べる役はお初で、謎解きは頭の切れる右京之助が担当します。
お初はすぐに行動する女の子で、右京之助は注意深く推理しながら慎重に行動します。この二人のタッグが相性ぴったりで面白いシリーズです。
まとめ
霊験お初捕物控シリーズは、個人的にめちゃくちゃお気に入りのシリーズなのでおすすめです。
宮部さんは現代・時代ものと幅広く描かれる小説家なんですが、時代ものの中でも1,2を争うほどの出来栄えだと思っています。
続き出してくれないかなとは思ってますが、たぶん無理かなあ・・・
まだ読んでない方はぜひ読んでみてくださいね。
宮部みゆきのその他おすすめシリーズ
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ぼんくらシリーズ
主人公がぼんくら同心である井筒平四郎で、縄張りで起こった難事件を解決していく時代ものミステリー小説です。
きたきた捕物帖シリーズの過去物語で、キャラクターがリンクしていたりします。(単体で読んでも問題ないです)
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きたきた捕物帖シリーズ
主人公の”北一”がメインとして事件を調査し、裏で助っ人の男”喜多次”が活躍する、タッグものです!
ぼんくらシリーズの未来の物語で、こちらもキャラクターがリンクしています。
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三島屋変調百物語シリーズ
主人公のおちかが聞き手となり、いろんな人が心の奥底にしまっておいた怖い話や不思議な話を語っていく物語です。
著者の宮部さんは100話紡ぎたいそうですが、果たして完結まで何年かかるのか楽しみです(できれば未来永劫お願いします!)
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杉村三郎シリーズ
こちらも現代もので、サラリーマンである杉村が数々の事件に遭遇し、解決していくミステリー小説です。
ドラマ化されるほどの人気シリーズで、ぜひまだ読んでない方にはおすすめしたい作品です!
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元警察犬マサシリーズ
こちらは現代もののシリーズで、警察犬”マサ”が語り部となって事件を追っていく物語です。
全2巻でそこまで長くないので、お手軽に読めると思います!
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親友”島崎君”シリーズ
こちらも現代もので、主人公の僕、将棋部のエースで親友の島崎と二人でタッグを組んで、事件を調査していく物語です。
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ドリームバスターシリーズ
こちらはファンタジーシリーズで、夢の中に逃げた凶悪犯を追う”ドリームバスター”たちの物語です。
未完結でしばらく経ってる作品ですが、面白さは間違いないです。