魔術の殺人(アガサ・クリスティ)とは
「魔術の殺人」とは、著者のアガサ・クリスティーが書いた名探偵マープルシリーズの巻目に当たるミステリー小説です。
魔術とタイトルにあるとおり、魔術を使ったとしか思えないような事件が起こります。このトリックが解けたらすごいと思います。
今回はこちらの作品の感想を語ります〜!
ミス・マープルシリーズの読む順番について
こちらのシリーズについては以下で解説しています。ご興味ある方はぜひ御覧ください!
【決定版】ミスマープルシリーズ(アガサクリスティ)の読む順番一覧|完結済み
アガサ・クリスティのおすすめ作品については以下でご紹介しています。
【全世界】アガサクリスティのおすすめランキングTOP22|初心者も読みやすい隠れ名作もご紹介
魔術の殺人(アガサ・クリスティ)のあらすじ
あらすじ
旧友の依頼で、マープルは変わり者の男と結婚したキャリイという女性の邸を訪れた。
その家は非行少年たちを集めた少年院で、異様な雰囲気が漂っていた。キャリイの夫が妄想癖の少年に命を狙われる事件が起きたのも、そんななかでだった。
しかも同時刻に別室で不可解な殺人事件が発生していた!
ことの発端はマープルの友人であるルースから「妹のキャリイの家がおかしい。何か不吉なことが起きる予感がする」という相談を受けました。
その言葉を信じてマープルはキャリイの様子を見にいきます。
そこで暫く滞在し様子をみていたんですが、ある時義理の息子クリスチャンが殺害される事件が起き、その後キャリイの夫からとんでもない話を聞かされます。
この話自体、異様な雰囲気を醸し出していて、一体何を信じていいのかわからなくなる類の作品です。
シリーズの中でもまた不思議な感じの作品じゃないかなと感じました。
実写ドラマもある
ちなみにこの作品はBBC(イギリスの放送局)でドラマ化もされています。
個人的に見応えがあって面白かったので、気になる方は観てみてください!
配信されているサービスリスト
※各リンクをクリックすると、直接「魔術の殺人」の動画ページに飛びます。
基本的にどこの配信サイトも30日間は無料なので、お試しで入ってみてもいいかもしれません。
ちなみに私はアマゾンプライムに入ってるので、そちらで見ました。
魔術の殺人(アガサ・クリスティ)の感想(ネタバレあり)
今回は個人的に読むのに苦戦をした作品でした。
登場人物の相関図が複雑な上に、娘息子だけでなく孫も登場するのでさらにわけわからなくなります。
なので読む際はぜひ一覧表を確認しながら、読むことをおすすめします。
今回気になった点は以下です。特大ネタバレありますのでご注意を。
・物語の前半に読者に仕掛けてくる
・大胆なトリック
物語の前半に読者に仕掛けてくる
そもそもこの事件の最初の被害者は、キャリイの義理息子のクリスチャンです。
事件の発生後に警察が関係者たちに詳しく状況を聞くと、キャリイの夫から「キャリイが狙われている」と告白され、被害者が生前に書き残した手紙を発見しました。
まずここで、「なるほどキャリイは遺産目当てで命を狙われているのか」と認識します。
そうなるとキャリイが死んで得する人が犯人か?と思いながら読み進めるのですが、しかし当のキャリイは「命は狙われてるはずがない」と主張します。
この状況と意見の食い違いが後に大きな展開を迎えます。
そして最後まで読んだ方なら、謎解きでハッと気づいたと思います。
そうです。この作品はかなり序盤から仕掛けてきます。(何とは言いません。)
そのおかげで大半の人が思い込みで意識的に外したであろう人が容疑者など露知らず、最後の最後でやられた人が多いと思います。
大胆なトリック
実際に映像化が可能なのかはさておき、今回のトリックは非常に大胆なものでした。
事件は居間で全員集まっているところに、使用人のエドガーがいきなりキャリイの夫に対してキレて、二人で部屋に閉じこもり話し出します。
そしてその後なぜか銃声が起こったのにもかかわらず、二人とも無事で部屋から出てきました。
しかし、その間に別室にいたクリスチャンは何者かに殺されていました。
このトリックの謎解きを読んだ時、あまりにも大胆でかつシンプルで驚きました。
映像だったらもしかしたら気づく方がいると思うのですが、文章だと無理です。今回もですが、やはりアンフェアだなーと思いました。
まとめ
今回の作品は、読みながらトリックが気づけるようなものではなかったため、ちょっとアンフェアな部分がありました。
それにエドガーが二人いるなんてちょっと反則です。思い返せばリアル感なかったので微妙だったな〜と思いました。
ただ物語としては普通に面白く読めたので、マープルファンの方はぜんひ読んでみてください!
まだ読んでない方はぜひ読んでいただきたい作品です。